私の父は、学生のころからずっと水泳畑一筋。
そして、家には毎日のように、大学の水泳部の学生がご飯を食べに来ていました。
地方の高校でスカウトをした学生が、東京で下宿生活をしていたので、ロクなものを
食べていないだろうからと・・・家は、彼らにとっては、『食堂』でした。
電車がなくなって帰れない学生達は、みんな、家に泊まって行きました。
家には、大きいお釜がありました。
大きい大きいおなべもありました。
お茶碗も、お箸も、たくさん!それはそれは、たくさんありました。
夏には、たくさんの水泳大会がありますので、毎日のように学生と共に父は
大会に行っていました。
みんな、真っ黒でした。
とにかく、黒いと言うのでは足りない・・・ドス黒い。
小さい時に、一度、学生達の練習風景を見る父に連れられて、プールに
行ったことがあります。
私は、まだ泳げなかったのに、水着も持たされて・・・。
水着を来て、プールサイドに立った私を見て、父は、いきなり、私を持ち上げ、
プールに投げ込んだのです。
心臓が止まるかと思いました。
おぼれる私・・・、アップアップして・・・。
大学の競泳用プールでしたので、深くて深くて、足なんて届きませんでした。
すると私の限界を感じた父は、学生に、私を救い上げるようにと、命令をしました。
(ぐ・・ぐ・・軍隊みたい!)
一斉に学生達が、プールに飛び込み、私を助け出してくれました。
そのときの学生達・・・神様でした。
死にそうでした!殺される!!
「でも、泳げるようになるには、これが一番。体で覚えるのが一番!」
と父。
(でも、泳げるようになる前に、私、死んじゃう!)
と思った私は、スイミングスクールに入りました。
あ~ホッとした。
≪続き≫

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